医学部は共テ何割必要?同じ750点でも大学ごとの配点で見え方は変わる
「医学部は共テ何割必要ですか?」と聞かれることは多いですが、共通テストの得点率だけで出願校を決めるのは危険です。
現在の共通テストは、情報Iを含めて1000点満点で考える必要があります。 たとえば750点なら75.0%です。
正直に言うと、75.0%は国公立医学部を目指すうえでは高い点数とは言えません。 大手予備校の難易度予想を見ても、国公立医学部では共テ得点率80%台が目安になる大学が多く、75%台はかなり厳しい戦いになります。
ただし、ここで大事なのは「75%だから全部同じように厳しい」と決めつけないことです。 国公立医学部は大学ごとに共通テストの配点が違います。 同じ750点でも、数学で稼いだ750点なのか、国語や社会で稼いだ750点なのかで、大学ごとの換算後得点は変わります。
医学部で共テ75%は正直きつい
まず前提として、共通テスト75%は国公立医学部ではかなり厳しい水準です。
たとえば、奈良県立医科大学の前期日程では、共通テスト900点、小論文100点の合計1000点で、共通テスト比率は90.0%です。 さらに、第一段階選抜では共通テスト換算成績が概ね730点、概ね81%以上であることが基準として示されています。
つまり、1000点満点で750点、得点率75.0%という数字は、医学部受験ではかなり苦しい位置です。 「75%でも医学部に届く」と簡単に言える数字ではありません。
ただし、だからといって、75%の受験生が全大学で同じように不利になるわけではありません。
医学部は大学ごとに共通テストの圧縮方法も、二次試験との比率も違います。
共通テスト比率が高い大学もあれば、二次試験の比率が高い大学もあります。
数学・理科が重く見られる大学もあれば、国語や英語の比重が残りやすい大学もあります。
だからこそ、共テ後は「750点だったから無理」「75%だから全部厳しい」と雑に判断するのではなく、大学ごとの配点でどう見えるかを確認する必要があります。
それでも、750点の中身で見え方は変わる
同じ750点でも、得点の中身は人によって全く違います。
たとえば、以下の4人は全員1000点満点で750点です。
| タイプ | 国語 | 数IA | 数IIBC | 英R | 英L | 理科1 | 理科2 | 地歴公民 | 情報I | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 数学理科型 | 120 | 95 | 95 | 80 | 70 | 90 | 90 | 60 | 50 | 750 |
| 数学弱め・英理型 | 150 | 50 | 60 | 95 | 85 | 95 | 95 | 90 | 30 | 750 |
| バランス型 | 170 | 65 | 65 | 75 | 75 | 70 | 70 | 90 | 70 | 750 |
| 国語事故・数学理科型 | 90 | 90 | 90 | 90 | 80 | 95 | 95 | 70 | 50 | 750 |
素点の合計だけを見れば、どれも同じ750点です。
しかし、大学ごとの配点で換算すると、見え方はかなり変わります。
たとえば、診断ツールで上の4パターンを入れると、代表的な大学では以下のように換算後得点率が変わります。
| 大学 | 配点の特徴 | 数学理科型 | 数学弱め・英理型 | バランス型 | 国語事故・数学理科型 |
|---|---|---|---|---|---|
| 奈良県立医科大学 | 共テ900点、共テ比率90.0%、理科150点×2 | 730.0/900(81.1%) | 715.0/900(79.4%) | 655.0/900(72.8%) | 745.0/900(82.8%) |
| 徳島大学 | 共テ950点、共テ比率70.4%、理科150点×2 | 761.0/950(80.1%) | 753.5/950(79.3%) | 697.5/950(73.4%) | 768.5/950(80.9%) |
| 島根大学 | 共テ930点、国語250点、理科175点×2 | 713.0/930(76.7%) | 767.0/930(82.5%) | 708.5/930(76.2%) | 708.0/930(76.1%) |
| 新潟大学 | 共テ800点、二次1200点、数学・英語・理科400点ずつ | 641.0/800(80.1%) | 621.0/800(77.6%) | 585.0/800(73.1%) | 651.0/800(81.4%) |
| 千葉大学 | 共テ475点、二次1000点、二次比率67.8% | 365.5/475(76.9%) | 370.5/475(78.0%) | 357.5/475(75.3%) | 365.5/475(76.9%) |
| 高知大学 | 共テ950点、二次1000点、国語200点 | 731.0/950(76.9%) | 741.0/950(78.0%) | 715.0/950(75.3%) | 731.0/950(76.9%) |
| 佐賀大学 | 共テ640点、共テ比率69.6%、情報Iは10点 | 498.5/640(77.9%) | 510.5/640(79.8%) | 483.0/640(75.5%) | 498.5/640(77.9%) |
この表を見ると、同じ750点でも、大学ごとの見え方が全く同じではないことが分かります。
奈良県立医科大学のように共通テスト比率が非常に高く、理科の配点が重い大学では、数学理科型や国語事故・数学理科型が比較的残りやすく出ます。
一方で、島根大学のように国語250点、理科175点×2という独特な配点を持つ大学では、国語と理科が取れている数学弱め・英理型が高く出ています。
これが、素点だけでは分からない部分です。
数学で取った750点と、国語で取った750点は違う
医学部受験では、合計点だけを見ると判断を間違えます。
たとえば、奈良県立医科大学は共通テスト900点のうち、理科が150点×2、英語が200点、数学が200点です。 一方で、島根大学は国語250点、理科175点×2が大きく、数学はIA50点、IIBC50点まで圧縮されます。
この2校だけを比べても、同じ750点の見え方はかなり変わります。
数学理科型の場合、奈良県立医科大学では730.0/900、徳島大学では761.0/950、新潟大学では641.0/800と、いずれも80%前後まで残ります。
一方で、バランス型の750点は、奈良県立医科大学では655.0/900、徳島大学では697.5/950、新潟大学では585.0/800まで下がります。 素点では同じ750点でも、理科や数学が重く見られる大学では、得点構成によってこれだけ差が出ます。
逆に、島根大学では数学弱め・英理型が767.0/930、82.5%まで出ています。
これは、国語250点、理科175点×2という配点の影響が大きいです。
つまり、数学で取った750点と、国語・理科で取った750点は、同じ750点ではありません。 医学部出願では、「何点取ったか」だけでなく、「どの科目で取ったか」を見る必要があります。
ボーダーを見る前に、大学ごとの配点で換算する
共テ後、多くの受験生はまずボーダーを見ます。
もちろんボーダーは重要です。
ただ、ボーダーを見る前に、自分の点数がその大学の配点で何点に換算されるのかを確認するべきです。
たとえば、奈良県立医科大学は共通テスト比率が90.0%で、第一段階選抜の基準も概ね730点、概ね81%以上とされています。 このような大学では、共テ換算後の点数がかなり重要になります。
一方で、千葉大学は共通テスト475点、二次1000点で、共通テスト比率は32.2%です。 新潟大学も共通テスト800点、二次1200点で、共通テスト比率は40.0%です。 こうした大学では、共通テストだけでなく、二次試験でどれだけ戦えるかが大きくなります。
つまり、同じ「医学部」といっても、共テ重視の大学と二次重視の大学では、見るべきポイントが違います。
75%前後のように医学部受験では厳しめの得点帯では、なおさら雑にボーダーだけを見るのは危険です。 まずは大学ごとの配点で換算し、自分の点数がその大学でどう見えるかを確認する必要があります。
偏差値だけで出願校を決めるのは危ない
偏差値が低めに見える大学なら狙いやすい、と思う人もいます。
しかし、医学部出願ではそれだけでは足りません。
偏差値は主に二次試験の難易度感を見るうえでは参考になります。
大手予備校の難易度予想を見ても、国公立医学部は大学ごとに難易度帯が分かれています。
ただし、共通テスト後の出願では、偏差値だけでなく、自分の共テ得点がその大学の配点でどう換算されるかも重要です。
たとえば、佐賀大学は共通テスト640点、二次280点で、共通テスト比率が69.6%です。 一方で、千葉大学は共通テスト475点、二次1000点で、共通テスト比率が32.2%です。
偏差値だけを見て「こっちの方が狙いやすそう」と判断しても、共テ比率や科目配点が自分に合っていなければ、実際には厳しくなります。 逆に、二次配点が重い大学では、共テで多少出遅れても、二次力がある人にとってはまだ勝負の形が残る場合があります。
もちろん、偏差値やボーダーを無視していいわけではありません。
ただ、それだけで出願校を決めるのは雑です。
共テ換算、ボーダー、二次配点、自分の得意科目。
このあたりをまとめて見ないと、出願判断としては弱いです。
共テ後は「一番マシに戦える大学」を探す
共テ後の医学部出願は、理想論だけでは動けません。
第一志望を貫くのが正解の人もいます。
ただ、共テで思ったように取れなかった場合は、現実的に戦える大学を探す必要があります。
ここで大事なのは、「楽に受かる大学」を探すことではありません。
国公立医学部に楽な大学はほとんどありません。
探すべきなのは、自分の点数と得点構成で、一番マシに戦える大学です。
たとえば、共テ比率だけを見ても、奈良県立医科大学は90.0%、徳島大学は70.4%、佐賀大学は69.6%、島根大学は56.4%、高知大学は48.7%、新潟大学は40.0%、千葉大学は32.2%です。
同じ国公立医学部前期でも、これだけ違います。
共テでリードして逃げ切りたい人と、二次で逆転したい人では、見るべき大学が違います。
数学理科で稼いだ人と、国語・社会で稼いだ人でも、相性の良い大学は変わります。
だから、共テ後は「医学部に行けるかどうか」だけでなく、「自分の点数で一番マシに戦える大学はどこか」を探すべきです。
共テ相性診断で確認できること
医学部 共テ相性診断では、共通テストの科目別得点を入力すると、国公立医学部前期49校について、大学ごとの共テ換算や出願相性を確認できます。
この診断は、合格確率を断定するものではありません。
「この大学なら受かる」と言い切るものでもありません。
ただ、自分の点数がどの大学の配点と相性が良いのかを整理する材料にはなります。
共テ75%前後のように厳しい得点帯ほど、素点だけで判断するのは危険です。
まずは大学ごとの換算後得点を確認し、自分にとって一番マシに戦える出願候補を探してみてください。